ものづくりを
身近に感じられる
この会社で
良かった。
私は関西出身で、大学進学のときに会津に来ました。大学ではコンピュータ理工学について学んでいましたが、縁もゆかりもない土地で4年間を過ごすうちに、会津に愛着がわいてきてこの土地で就職したいと思うようになりました。就職活動ではIT業界全般を調べていたのですが、だんだんと組み込み系のソフトウェア開発に惹かれていきました。実際にモノを動かすおもしろさを知りたくなったんです。仲良くしていたOBの先輩も何人かシグマに就職していたので安心感がありましたし、ファームウェア開発部門の方と話す機会があり、先輩がサポートしてくれる雰囲気を感じたので入社を決めました。
入社後は、希望通りファームウェア開発を担当しています。現在は交換レンズの新機種開発と、発売済みのレンズのファームウェアアップデートが主な仕事です。製品開発は新規要素が多いほど難しいですが、特にズームレンズや接写用のマクロレンズ、手ブレ補正付きのレンズは制御が複雑で、より高度な知識やノウハウが求められます。新製品を次々出す会社ですので、ひたすら試行錯誤する毎日です。
ファームウェア開発の仕事は、自分たちだけでは完結しません。様々な部署との連携が重要です。例えば、試作段階でオートフォーカスの精度に課題があると発覚した場合は、収差などの光学性能に由来する不具合なら光学設計に相談します。ピントを合わせる時に動かすフォーカスレンズの傾きやガタなど、メカ構造に由来するときは機構設計や生産技術に話を聞きます。フォーカスや絞り羽根を動かすモーターの制御については、電子回路設計の担当者によく相談しています。出荷前の最終的な評価は品質保証部に依頼し、お客様の目線で問題ないかあらゆる角度からチェックしてもらいます。こうして多くの部署と関わりながら、品質や性能を一緒に追求していくのが楽しいんです。
良い製品にトライすること、そのために積極的に協力すること。それが当たり前の文化として根づいているのがシグマの強みかもしれません。同じ課の先輩に質問すればなんでも丁寧に答えてくれますし、別の部署の人も快く相談に乗ってくれます。仕事が楽しくできているのはこの環境のおかげですね。これからも難しいレンズ開発に挑戦していきたいですし、先輩にお世話になっている分を、今度は後輩に返していきたいと思っています。
みずから手を挙げ、
シグマ初の技術に
挑戦
大学院ではレーザーに関する研究をしていました。その中で装置や測定器の開発を経験し、プログラムでものを制御する楽しさも感じていたので、光学と制御どちらかの分野に関われたらいいなと考えて就職活動を進めていました。シグマに興味を持ったのは、社長が動画の中で話していた「うちはクレイジーな開発をしています」という言葉がきっかけです。技術者のこだわりを製品に反映したり、採算性に囚われすぎずにおもしろい仕事ができる会社だと感じ、入社を決意しました。
現在はカメラのファームウェア開発を担当しています。開発の流れとしては、どんなカメラをつくるか方向性が決まったら、電子回路設計の担当者が基板の設計をスタートします。この時点ではまだ何も動きません。そこに制御を入れていくのがファームウェア開発の仕事です。イメージセンサーから画像を取得したり、液晶パネルに画像やGUIを表示したりと、まずは各要素の動作を確認します。続いて徐々にそれらを連携させながら動作させ、カメラとしての機能を揃えていきます。カメラはさまざまな要素が同時進行で動きますが、画像処理エンジンのリソースには限界があるので、場面ごとに優先順位を適切に切り替え、性能を引き出していきます。試行錯誤の連続ですが、自分がカメラを動かしているんだと実感できるのがこの仕事の醍醐味です。
特に思い出深いのは、入社3年目にQRコードの機能搭載に挑戦したことです。内容としては、カメラの撮影設定をQRコードに書き出し、そのQRコードを別のユーザーが読み込めば、自分のカメラでその撮影設定を再現できるというものです。商品企画部門からそのアイデアを聞いた当時は、QR決済が流行り出した時期でした。外部のソフトウェアを使う話もあったのですが、どのような技術が使われているか興味があったこともあり、自社開発してみたいということで手を挙げました。
ただシグマでは初めての試みだったので、文献を調べながら地道に開発を進めることになりました。先輩との勉強会を重ねていき、QRコードの書き出し機能の実装までは順調に進んだのですが、読み込みのほうは苦労しました。コードが傾いていたり一部が欠損していたりしても、瞬時に読み込めなければいけないので、検出機能の高速化や歪みの補正、画像処理の性能向上に取り組み、課題を一つひとつクリアしていきました。最終的に「SIGMA fp L」の発売に間に合わせることができ、新機能として実装することができた時の達成感は大きかったです。今後も、業界初の新しい機能にチャレンジしたいですし、自分からアイデアを出していきたいと思います。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。