高橋 正宗
レンズ研磨

高橋 正宗

2009年入社

「より良いもの」を追求する。
没頭できる仕事に出会いたかった。

大学時代には工学部で物質化学工学を勉強していました。少し専門的なのですが、例えば密度の高いセラミックスを生み出すことで、新たな性能を持たせられないか、といったことが研究テーマでした。具体的には、セラミックスの素材に研磨をかけ、表面の充填率を計算するのですが、素材を研磨し表面をなだらかにすることで、素材の性能を正確に測ることが可能になるんです。このあたりは今の仕事にもつながっているのですが。大学の卒業研究の時などは、朝6時から夜11時まで研究室にこもり、ずっと必死でデータを取っていたこともありました。負けず嫌いの性格が良い意味でガッツになっていたんですね、多分。とにかくとことん精度を高め、良いものを生み出そう、という性分なんでしょうね。そんな自分の経験と性分を少しでも活かせる仕事をと思い入ったのがシグマでした。「総和」に由来する社名もまた、数学が好きな自分にとってはたまらなく気になる会社でした(笑)。

レンズ量産の質を決める「原器」。
責任とやりがいを感じて。

レンズ量産の質を決める「原器」。
責任とやりがいを感じて。

現在は、光学素子先端加工部というところに所属しており、主にカメラのレンズを量産するための元となるレンズの「原器」を作っています。まさに、レンズ作りの一番最初の工程です。ここで求められるのが、レンズのクオリティとスピード。量産に入る前のお手本のようなレンズを作るわけですから、当然高い精度のレンズが求められます。責任とやりがいの大きな仕事です。毎回研磨を重ね、凹凸のない理想的なレンズを目指していきますが、これが予想以上に難しい。レンズの研磨とは、職人的な経験と感覚が非常に重要なのです。グルグルと回る研磨機にレンズを挟み、研磨する。その最中に研磨機の振り幅や下皿の形を微調整することで、「この動作をさせると、こういう形になるだろう」と予測します。レンズの真ん中を凹ませたり、逆に膨らませたり外側を調整しつつ、凹凸のない滑らかで均整のとれた表面を目指すのです。繊細な作業の積み重ねで理想的な数値のレンズが完成した時の達成感が最大の喜びでもありますね。そう、大学時代に夢中で研究した「精度にこだわるものづくり」は、今の仕事と共通するところだと思っています。

研磨には「終わり」がない。
だから常に新鮮な気持ちで。

研磨には「終わり」がない。
だから常に新鮮な気持ちで。

理想的なレンズを生み出せた時は喜びもひとしおですが、最初は研磨の感覚がまったく掴めませんでした。先輩からは「見ているだけでは覚えられない、自分でやってコツを掴め」とアドバイスされました。限られた時間内で自分なりに考え研磨する。うまく行く時も失敗する時もある。最初は試行錯誤ばかりでした。でも、そこで大切なのが成功した時の手順や数値を自分なりに蓄積していくこと。「たまたま」ではなく、再現できるようにすることが大事なんです。経験に則って、そういうことなんですよね。よくレンズの研磨は熟練技術と言われますが、考え、分析して、次に活かすという、経験値を増やしていく地道な作業です。しかし、その積み重ねが仕事の幅を拡げ、奥行きを作るし、やりがいになる。ですから、この仕事に適しているのは、根気だけでなく「考えて行動できる人」だと思います。今はまだ、作ってみたいけどできないレンズもあります。常に理想を追い求められることも、この仕事の醍醐味ですね。

高橋 正宗 レンズ研磨

高橋 正宗

福島県福島市出身。日本大学工学部卒業。中学高校はサッカー部に所属。大学時代はアルバイトをしながら研究に没頭していた。負けず嫌い、かつ人と違うことをしたい性格で自分なりの目標を設定して邁進するのが得意。就職後の目標としていた一戸建購入も25歳で達成、現在プライベートタイムも謳歌中。

レンズ研磨の
仕事について

レンズの加工には複数の部署が関わるが、そのうち光学素子先端加工部はレンズの原器や大型レンズをつくる部署。レンズ研磨の基準となる数値を持つ「元原器」と、実際の加工現場で用いられる「工場原器」があり、高橋は元原器づくりに携わる。元となるガラス素材を研磨機で磨き、表面のなだらかさの測定や検査を繰り返しながら、理想的なレンズに近付けていく地道な作業となる。長い経験がものを言う職人的な「勘」が重視される仕事でもある。