乾 達也
開発部 開発第1ユニット

乾 達也

2008年入社

「リアルな色情報」を得られる
イメージセンサーとの出会い

大学院では天文学について研究しており、X線で宇宙観測をしていました。この頃はまだ研究ばかりでカメラとは無縁の日々でした。ほとんど触ったことすらない状態だったんです(笑)。そんな僕が、院生時代に開発していたX線観測用イメージセンサーの知識を活かせないかと探して出会ったのが、シグマでした。宇宙観測用とデジタルカメラのイメージセンサーは同じ原理だったということもあるのですが、一番の志望動機になったのは「独自の技術」でした。一般的なイメージセンサーはモノクロームセンサーの上にカラーフィルターを載せて「色情報」として取り込み、それを演算処理して画像データ作るのですが、それは「リアルな色」ではないと以前から思っていました。だったら、最初からすべての色情報をキャプチャできる方がいい。そんなイメージセンサーは作れないものかとずっと考えていた。そうしたら、実はもう在ったんですよね(笑)。その「あるべきイメージセンサー」が、今私が携わっているシグマ独自・世界唯一の「Foveon」なんです。

想定を超えた不具合と向き合い、
乗り越える。その連続です。

想定を超えた不具合と向き合い、
乗り越える。その連続です。

「Foveon」センサーはシグマのデジタルカメラを語る上では欠かせない存在です。フィルムのようにすべての光の情報を3層のシリコンで取り込む「フルカラーキャプチャシステム」によって、非常に解像度が高く、独特の臨場感・質感描写ができるわけです。その特性を最大限に活かしながら、さらに解像力を高く、人間の実際の視覚体験に近い、よりリアルで、空気感までを表現できるものにしたい。そんな気持ちで、日々イメージセンサーの回路設計と向き合っているのですが、これが苦難の連続で(笑)。ずいぶん前のことですが、新開発のカメラがまもなく量産体制に入ろうかという時にカメラシステムに問題が発覚したことがありました。エラーの原因が特定できず、発生の確率も非常に低い。しかし何万分の1の確率でも必ず起こることは解っているので、とにかく必死で突き止め、解析し、解消しなければいけない。今だって基本的にはこの繰り返しです。でも、開発の現場では不測のトラブルというのは常に発生するものだし、それを乗り越えることが「ものをつくる」ということだと思っていますから。

自由にものが言える。
言ったら、やる。
そんな社風が自分には合っている。

自由にものが言える。
言ったら、やる。
そんな社風が自分には合っている。

僕のモットーは「“楽”をして仕事をする」なんです。根気のいる仕事ですし、実際にはなかなかスマートにはいかないけれど(笑)、空き時間を上手く使ったりして、なるべく効率よく仕事をしたいと思ってます。コンピュータでシミュレーションしたり、これまで人の手に頼っていた部分も機械化することでやりやすいように改善して。そうすると周りにも自分にも余裕ができるし、良いアイデアも生まれてきますよね。残業もなるべく減らして、休日は家族と過ごす時間をとるようにしています。個人としての効率化もですが、同僚と連携して、皆で余裕を作るのが今後の課題かな。それから、こういう考え方を自分の言葉で遠慮なく提案できるのは、シグマという会社のいいところだと思ってます。若い人、入ったばかりの人もどんどん意見を言っていい雰囲気だし、実際に言える。そしてそのアイデアが面白ければ、「じゃ、やってみろ」となる。もちろん、言ったことは、責任をもってやる。そういう気風は常に感じますね。「物が自由に言えないと苦しい」僕には、合っているんでしょうね(笑)。

乾 達也 開発部 開発第1ユニット

乾 達也 (いぬい たつや)

1980年4月生まれ。博士(理学)。大阪府立大学では超伝導物性(電子物理学)を学び、京都大学大学院では理学研究科にて物理学を専攻。衛星に搭載するX線用イメージセンサーの開発に携わり、観測データを使って銀河やブラックホールの解析研究をしていた。関わっていた衛星は現在も軌道を回っている。趣味はPCいじりと旅。アプリ作りや、ふらりと旅に出るのが休日の過ごし方だったが、父親となって生活は一変。最近はもっぱら息子と自転車で遊ぶのが楽しみに。

開発部
開発第1ユニットの
仕事について

開発第1ユニットは電子設計、メカ設計、ソフトウェア開発まで含めたデジタルカメラを開発する部門。乾はこのうち、デジタルカメラの心臓部とも言えるデジタルイメージセンサーにまつわる回路設計を担当。イメージセンサーから送られてくるデータを処理する信号システムなどを設計。画像処理の精度を高め、解像度の高い、より特徴のあるイメージセンサー作りに取り組む。人間の実際の視覚に近いリアルな質感表現をめざし、イメージセンサー開発を担う子会社Foveon Inc.の技術者と毎週テレビ会議を行う。年に数回はシリコンバレーにある同社を訪ね、川崎の本社にも招くなどして開発のためのディスカッションを重ねている。